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【解説】コミュニケーション能力を鍛えるには?

一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会

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【解説】コミュニケーション能力を鍛えるには?

コミュニケーション能力を鍛えるには、どうすればいいでしょう?

コーチングやカウンセリングを学んだのに、コミュニケーションがうまくいかない。

こんな風に悩んでいませんか?

このようなとき、テクニックと内面のレベルが合っていない

「ミスマッチ」が起きている可能性があります。

どんな能力を鍛えるにしても、レベルに合わせたトレーニングが必要です。

例えば、水泳初心者にバタフライを教えることはしませんね。

身体の浮かせ方、息継ぎのやり方などから教えるはずです。

コミュニケーションを鍛える場合にも同じです。

ここでは、どうすればコミュニケーション能力を鍛えて、

上手なコミュニケーションをとることができるようになるのかについてお伝えします。

『思考の言葉』と『コミュニケーションの言葉』

まずはコミュニケーション能力のレベルを確認することからはじめましょう。

例えば、あなたに恋人がいるとしましょう。

そして、ある日のデート中、「他に好きな人ができちゃった! 別れた方がいいよね?」と告げられました。

あなたは、どう対応しますか?

恋人:「他に好きな人ができちゃった! 別れた方がいいよね?」

あなたならどう答えますか?

  1. 「いや!絶対に別れない!」(即答)
  2. 「えっ……」(絶句)
  3. 「ひどい。よくそんなことが言えるね」(怒り)
  4. 「私に悪い所があったんだ…」(涙)
  5. 「ビックリした。詳しく教えて……」
  6. 「教えてくれてありがとう。あなたもつらかったね」

これらのうち、①~④のように答える人は、コミュニケーションがまだ機能していない段階です。

①のように即答するのは、相手の言葉に反射的に反応してしまっています。

②は混乱して思考停止してしまっています。

③は怒りの感情をぶつけて相手を責めています。

④は逆に怒りの感情が自分に向いて自分を責めています。

⑤の答えをする人は、冷静に受け止めることができていますが、まだ十分とはいえません。

⑥の答えをする人は、自分の感情を抑えて、相手をいたわっています。

少し理想的すぎるかもしれませんが、⑥のような受け答えが模範解答です。

では、自分の感情を無視して、いつも⑥のような答え方をすれば、コミュニケーションはうまくいくでしょうか。

答えはNOです。①~④の段階にいる人が、形だけ⑥を真似してもうまくいきません。

それどころか、無理を続ければ心が病気になってしまいます。

「話し方」や「伝え方」は外側のコミュニケーションです。

そして、外側のコミュニケーションだけをいくら鍛えても、コミュニケーションは上手になりません。

大切なのは、言葉になる前の、内面を育てること。

つまり、内面に働きかける『思考の言葉』を鍛錬することが、

上手なコミュニケーションの鍛え方なのです。

思考の言葉とは?

誰もが心の中では独り言を使いますよね。

例えば、レストランで待たされたら……

「まだかしら……」

「オーダーを忘れてるのかな?」

「忙しいのかな?」

このような、心の中の独り言を内言(ないげん)と呼びます。

内言とは、物事を考えたり、頭の中を整理したりするための道具として

用いられる言葉です。これが『思考の言葉』です。

逆に私たちがふだんコミュニケーションの道具として使っている

話し言葉を外言(がいげん)と呼びます。

これが『コミュニケーションの言葉』です。

内言と外言には密接な関係があります。

ここでは、どのように内言と外言が関わっているのかを見ていきましょう。

例えば、あなたが上司に注意されたとします。

上司:「何度、同じこと言わせるんだ!」

そのときの内言のパターンを考えてみましょう。

パターン内言外言
「お前もそうだろう」怒りをこらえて「スミマセン」
「うざい、かかわりたくない」その場しのぎで「スミマセン」
「またやってしまった」 落ち込んで「スミマセン」
「迷惑をかけてしまった」素直に「スミマセン」
「次は期待に応えるぞ」元気に「スミマセン」

どのパターンでも、コミュニケーションの言葉である外言は同じです。

しかし、これだけの内言の違いが出てくるのです。

さて、コミュニケーション能力を鍛える上で、内言の重要性をお伝えしました。

その内言は、いつ習得するのでしょうか?

もちろん幼少時に私たちは、大人や友達との関係の中で内言を獲得します。

子どもの言語の発達は、一人だけで自然に進むものではありません。

社会的環境、親子関係、兄弟姉妹や友人との関係の中、他者との相互作用、および大人からの教育を受けることによって、

実用的な思考能力やコミュニケーション能力の育成されていくのです。

※子どもの言語発達について、詳しくはロシア(旧ソビエト連邦)の心理学者、ヴィゴツキー.L.S.の研究を参照してください。

『思考の言葉』がコミュニケーション能力に大きくかかわる

内言は「思考する能力」です。

そして、一般的に外から刺激を受けると、私たちは独自の内言を挟み、外言(コミュニケーション)することが通常です。

外的な刺激思考の道具「内言」コミュニケーションの道具「外言」
友人から「冗談が通じない」と言われた「あなたもね」「お互い様でしょ!」
「私のことよく知ってる!」「そうなのよ!」
「しょうがない」「昔から!」

上の表を見て気づかれた方もいらっしゃるかもしれません。

そうです。コミュニケーション能力を向上させるには、まず内言の力を養うことが大切なのです。

まず息継ぎができなければ、バタフライなどの高度な泳法を身につけられないように、

内言(思考の道具)が整ってはじめて、外言(コミュニケーションの道具)がうまく使えるようになるのです。

内言(思考)の傾向によって、外言(コミュニケーション)が大きく変わります。

  • 否定的な思考の方は、否定的なコミュニケーションをします。
  • ネガティブな思考の方は、ネガティブなコミュニケーションをします。
  • 他者責任の思考の方は、他責のコミュニケーションをします。
  • 自己責任の思考の方は、自責のコミュニケーションをします。
  • 消極的な思考の方は、慎重なコミュニケーションをします。
  • 積極的な思考の方は、チャレンジングなコミュニケーションをします。
  • 肯定的な思考の方は、前向きなコミュニケーションをします。
  • 楽観的な思考の方は、能天気なコミュニケーションをします。

コロナ禍で、行動が制限された場合を例にみてみましょう。

外的な刺激思考の傾向「内言」コミュニケーションの道具「外言」
コロナ禍で、緊急事態宣言が発令 否定的な思考の方「コロナは失うものが多いね」
肯定的な思考の方「コロナが新しい生き方を教えてくれた」
ネガティブ思考の方「コロナが落ち着くまでダメだな」
ポジティブ思考の方「コロナでチャンスもあるよね」
他者責任の思考の方「コロナのせいで人生めちゃくちゃ!」
自己責任の思考の方「コロナのおかげで成長できた!」
消極的な方「コロナだから動かない方がいい」
積極的な方「コロナだから動いた方がいい!」
成長志向の方「200年に一度のチャンスだ!」
楽観的な思考の方「流れのままだよ!」
成功者的な思考の方「成長できる出来事しか起こらない!」

このように思考の傾向(内言)によってコミュニケーションの道具である外言が変わっていきます。

内言は、私たちが生まれ育ってきた環境で学習してきた「能力」です。

クセです。偏りです。あるときは長所であり、あるときは短所にもなります。

そしてそれは、あなたの「個性」です。

だから、長所の部分を尊重して、短所になる部分を改善していく取り組みが必要です。

コミュニケーション能力を向上させるには、思考(内言)力を鍛えることが重要なのです。

思考力を鍛えることによって、コミュニケーション能力を大幅に向上させることができるのです。

『思考の言葉』の効果

思考(内言)力を鍛えることによって、具体的にどのようなコミュニケーション能力が改善できるのでしょうか?

最も重要なことを2つお示しします。

負の感情のコントロールができるようになります。

対人関係において避けられない「怒り」。

人間関係の中で生きる私たちは、「怒り」から逃げることはできません。

誰でも自分の期待以下のことが起きれば、「怒り」などの負の感情の心が占領されます。

そのときは、内言を使って「怒り」を静めることが可能です。

負の思考のスパイラルから脱することができるようになります。

例えば、何かで失敗したとき、「私ってダメだなぁ」「価値がないなぁ」

「能力が足りないなぁ」「将来に希望が持てない」などとネガティブな考えの中に埋もれそうになったりします。

そんなときは、意図的に「何を学んでいるのか?」

「人生は誰もがビギナー! 上手くいかないことが当たり前、過去は未来のための練習だ!」

と自分の心に声をかければいいのです。

負のスパイラルに入ったら、未来が広がるような内言を自らにかけるのです。

私たちは、すべてが未熟の世界で生きています。

完璧なものなど存在しないと思います。

※もしかすると、神様は完ぺきなのかもしれません。

「すべては未熟。残りがあるとすればゆるし」なのです。

『思考の言葉』、内言を鍛えるためには?

内言は、私たちが生まれ育ってきた環境で学習してきた「能力」です。

クセです。偏りです。あるときは長所であり、あるときは短所にもなります。

そしてそれは、あなたの「個性」です。

だから、長所の部分を尊重して、短所になる部分を改善していく取り組みが必要です。

内言を改善していく、主なトレーニング方法です。

コミュニケーション能力の高い人を真似る。

これは「モデリング」と呼ばれる学習法です。

生産的なやり方で、短時間で内言が改善されていくでしょう。

過去のコミュニケーションパターンを振り返り、反省しながら改善する。

この方法はお勧めしません。

なぜならば、過去は未来のための練習なので、特別に振り返る必要はないのです。

並行してコミュニケーションテクニックを学ぶ。

「聞き方」「話し方」「伝え方」「プレゼンテーション」「コーチング」「カウンセリング」……。

様々な分野のコミュニケーションテクニックがあります。

ただし、このようなテクニックだけを学んでも、相手の心に届く言葉を使うことはできません。

どうか内言を鍛えるトレーニングを並行して行ってください。

コミュニケーションの師から学んだこと

私たちは、2006年に日本ではじめての「コミュニケーション専門スクール」を立ち上げました。

今でこそコミュニケーショントレーナー™をしていますが、私はコミュニケーションが全くできませんでした。

できないレベルを超えて、自分勝手に一人で生きていたような感覚でした。

もちろん、家族や仲間に支えられていたのですが、そのようなことを考えたことがありませんでした。

要するに、自己中心的で友達がいない状態。

友達といえば、お金で繋がっているような状態でした。

でも、だからこそコミュニケーションの重要性に気づけて、コミュニケーションの先生になれたのかもしれません。

コミュニケーションの師との出会い。

私にはコミュニケーションの師がたくさんいます。

その中で、技術的なテクニックを学んだのは3人です。

そのうちの1人が、私に最初の大きな変化と学びをもたらしてくれました。

そのときのことを今でも鮮明に覚えています。

1998年頃、はじめて2泊3日のコミュニケーション研修に参加したとき、

あまりにも身勝手で、仲間を蔑ろにしていた自分が情けなくて、涙が止めどなく溢れてきました。

そのときでした。

「この人のようになりたい!」と思ったのです。

私:「先生のようになるには、どれくらいかかりますか?」

師:「最低でも10年はかかるでしょうね……」

私:「ありがとうございます」 内言:「そんなかかるの? 俺は3年で行けるかな……」

私のこの考えは甘かったのです。

10年が経過しても、師匠のようにはなれませんでした。

一所懸命に真似したけれど……

そのときも悔し涙が出ました。

そして、しばらくしてコミュニケーションの極意を掴めたような気がします。

もしかして、気がするだけかもしれませんが……(笑)

まとめ

コミュニケーション能力を鍛えるには、テクニックの前に、まず自分の『心』を鍛えることが重要です。

なぜなら、内言(思考)、感情、情動、衝動、イメージ、欲望、直感、感覚、このような心理機能は心で起こるからです。

ですから、まずは自分自身と向き合い、自分の心を統制できるようになることが、

コミュニケーション能力を向上させる唯一の方法なのです。

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