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【解説】非言語コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)とは?

【解説】非言語コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)とは?

投稿日:2023年3月16日 / 最終更新日:2024年7月1日

非言語はコミュニケーションの8割

コミュニケーションは『他人との関わり方』。
そのキーワードのひとつが、非言語コミュニケーションです。

人は言葉だけを伝えることはできない

例えば、名前を呼ばれたとき。
元気よく「はい」と返事するときもあれば、
何かに集中しているときには、うわのそらで「はい」と返事をすることもあり、
イライラしているときには、怒りが込められた「はい」の返事になることだってあるでしょう。

上に挙げた3つの返事は、口に出した言葉はすべて「はい」でも、相手が受け取る印象は
大きく違ったものになります。

この言葉以外の部分で伝わる内容を、コミュニケーションの分野では
「非言語コミュニケーション」といいます。

「仕事で失敗してしまいました……」と落ち込んでいる部下に対して
上司が「どうしてそうなったんだ」と声をかける場合。

「どうして!」と強い言い方で、部下を責めることができます。

独り言のようにつぶやいて、知らんふりすることもできます。

フラットに、ただ起こった事実を確認することもできます。

優しい言い方で、ねぎらうこともできます。

「いい勉強したな! 次にどう活かす?」と茶目っ気のある目つきで、
失敗を学びに変えることを部下に促すことだってできます。

同じ言葉を使っていても、声のトーン、間の取り方、目つきなど、
非言語の部分ではまったく違うコミュニケーションをすることが可能です。

あなたは、どのレベルの非言語コミュニケーションを求めていますか?

日本の最高の知の巨人と言われる田坂広志氏がYouTubeで、
「成熟とは、目に見えないことを感じるようになれること」というようなことを語っていました。

無意識に発信してしまう非言語のメッセージ。

ときには無意識に不機嫌な気持ちが伝わってしまうこともあるでしょう。
非言語コミュニケーションは、上手に使えば人間関係を良くするためのスキルになります。

非言語コミュニケーションとは、人を成熟させてくれるひとつの大切な能力ではないでしょうか?
言葉でのやり取り以上に、人が生きる社会で必要とされているのです。

言葉にはその人の全部がついてくる

20世紀最大の知の巨人であるP.F.ドラッカー氏は、言葉には、言葉と共につねに
「その人の全体」がついてくると記しました。

私たちの何気ないコミュニケーションには、文化、言語、人生、人格、性格、情緒、価値観、知覚、
指示、命令がついてきているのです。

「おはよう」と「Good morning」は、【朝の挨拶】としては同じものですが、
文化や言語の違いがついています。

「ストレスはできるだけ避けたい……」と思う人と、「ストレスは自分を成長させる」と思える人では
ついてくる人生、人格、情緒、価値観、知覚が違ってしまう。

言葉は、私たちが生まれて育った時間から紡ぎだされるのです。

非言語コミュニケーション能力のみがき方

ここでは、具体的に非言語コミュニケーションをどのようにみがいていくかを解説します。

非言語コミュニケーションのむずかしさ

もし、あなたの部下のAさんが会議の内容を確認してきたとします。

Aさんは、会議中にメモを取りません。Aさんが会議の内容を確認しに来るのは、ほぼ毎回です。
そんなとき、あなたはどう対応しますか?

Aさん:「先ほどの会議の内容を確認していいですか?」
あなた:「いいですよ」

このとき、あなたの心の中で(なぜ、メモを取らないの?)とAさんの責める気持ちがあれば、
その不満や攻撃的な気持ちが非言語の態度に現れます。

たとえば、大きなため息、不満そうな目つき、逆に一切目を合わせない
「やれやれ」という言葉のトーンなどです。

それらの非言語コミュニケーションは「いいですよ」という表出された言語コミュニケーションとは
裏腹に、心の中で考えている不満や攻撃的な気持ちをストレートに相手に伝えてしまうのです。

これがよく人間関係のトラブルの原因になります。

「いいですよ」と言いながらため息をつくと、内心の不満が伝わります。
あきれ顔で「いいですよ」と伝えると、相手は攻撃されたと感じるでしょう。

こうした非言語コミュニケーションによって、部下は萎縮し、どんどん関係が悪くなっていきます。
しかも、不満の内容を言葉にしないため、あなたが何に不満を持っているのか、
部下には伝わりません。

こうした無意識の他罰的な感情が、非言語コミュニケーションによって、
相手に伝わった結果、仕事の内容は改善されていかず、信頼関係だけが失われていくことになります。

自分で思うよりもずっと雄弁に、非言語によって本音は伝わってしまうものです。
ですから、非言語コミュニケーションをコントロールするのはとてもむずかしいのです。

では、表出される非言語コミュニケーションを
自分の意志でコントロールすることはできないのでしょうか。

答えは、「できます」。

非言語コミュニケーションをコントロールするためには
まず心の中の「内言」を鍛える必要があります。

内言を鍛えて非言語コミュニケーションを変化させる

「内言(ないげん)」とは、心の中の独り言のことです。
物ごとを考えたり、頭の中を整理したりするための道具として用いられる言葉で、
人は内言を使って思考します。

つまり『思考の言葉』です。

反対に、実際に口に出して言う言葉を「外言(がいげん)」といいます。
話し言葉に用いられる言葉で、『コミュニケーションの言葉』に当たります。

内言について、詳しくは以下の記事も参考にしてください。

▶【解説】コミュニケーション能力を鍛えるには? 

先ほどの部下のやりとりを、内言と非言語コミュニケーションに整理してみましょう。

Aさん:「先ほどの会議の内容を確認していいですか?」
あなた:「いいですよ」

あなたの内言Aさんから見たあなた非言語コミュニケーション
なぜ、メモを取らないの?嫌そうな表情で「いいですよ」嫌そうな表情
なぜ、毎回、確認しに来るの?ため息をつきながら「いいですよ」ため息
社会人としてメモを取るのは常識じゃない?あきれ顔で「いいですよ」あきれ顔

この表を見ると、内言が非言語コミュニケーションに現れてしまっていることに気がつくと思います。
非言語コミュニケーションの「他者責任」バージョンとも言えるでしょう。
外言はすべて「いいですよ」ですが、Aさんの受け取り方はどうでしょう?

重要なコミュニケーションの原則のひとつがここにあります。
「コミュニケーションを成立させるのは受け手」ということです。

コミュニケーションはすべて「相手が主人公」です。

コミュニケーションでミスマッチが起きたとき、言葉(外言)でコミュニケーションしようとしても
相手を責める気持ちが非言語コミュニケーションとして相手に伝わってしまうと、上手くいきません。

時間はかかるけれど、まずは非言語コミュニケ―ションで信頼関係を作る必要があります。

実は、非言語コミュニケーション能力をみがくコツがここにあります。
コミュニケーションでミスマッチが起きたときに自己責任として受け取り、
次の機会から工夫を続けるのです。

操作主義をやめて受け手を尊重する

コミュニケーションを成立させるのは「受け手」である以上
受け手の文化、言語、人生、人格、性格、情緒、価値観、知覚を尊重することが
非言語コミュニケーション能力をみがく秘訣です。

ところが、送り手側が非言語コミュニケーションのテクニックで、
受け手に「何かを伝えよう」「分かってもらおう」「行動してもらおう」としようとします。

これでは、人を道具のように扱おうとする「操作主義」となってしまいます。

  • 時給を上げるからもっと仕事をしてちょうだい
  • オモチャを買ってあげるから勉強しなさい
  • これを身につければ昇進できます

これらが世にはびこる操作主義です。
人に過度に何かを要求する操作主義は危険です。

なぜならば、過度な要求を続けると相手との信頼関係を失ってしまうからです。
非言語コミュニケーションは、相手を操作するためのスキルではありません。

相手の文化、言語、人生、人格、性格、情緒、価値観、知覚を尊重し
理解を深めることが大切なのです。

そうすることによって、職場での人間関係、お客様との関係、夫婦関係、親子関係、仲間との関係を
円滑にすることが可能になるのです。

具体的にどのような内言を使えば、非言語コミュニケーションを変化させることができるでしょうか。
先ほどの他者責任のコミュニケーションを、「自己責任」のコミュニケーションに直してみます。
部下とのやりとりを、望ましい内言にすると次のようになります。

Aさん:「先ほどの会議の内容を確認していいですか?」
あなた:「いいですよ」

あなたの内言Aさんから見たあなた非言語コミュニケーション
積極的に確認しにきてくれてありがとう。やさしい表情で「いいですよ」やさしい表情
もしかして、毎回、上手く伝えられていなかった?相手をいたわる口調で「いいですよ」相手をいたわる口調
Aさんへの配慮が足りなかった。今後は、しっかり伝わるような時間にするね。明るい表情と穏やかな口調で「いいですよ」明るい表情と穏やかな口調

心の中でAさんに対して(積極的に確認しにきてくれてありがとう)という内言を持っていれば、
自然と目つきや言い方で、質問にきたAさんの姿勢をねぎらうことができます。

相手に対するいたわりやねぎらいの気持ちは、やさしい表情やおだやかな口調という
非言語に現れます。

心理学用語で「ラポール」という言葉があります。
これは「調和した関係」や「心が通い合う関係」という意味を持っています。
無意識のレベルでお互いに、心理的安全性があると感じることができる深い信頼関係のことです。

言語を使った表面的なコミュニケーションよりも、非言語コミュニケーションの方が
ラポールを作りやすいと言われています。

Aさんとの間にラポールを築いた結果、Aさんから「じつは……」とメモを取らない理由を
打ち明けられるかもしれません。

大切なのは無意識にある違いを尊重すること

非言語コミュニケーションが人間関係に大きな影響を与えることをお伝えしました。

もちろん、非言語コミュニケーションでは具体的な内容は伝わらないため
言語を使ったコミュニケーションをすることも大切です。

Aさんに、言葉を使って「積極的に確認しにきてくれてありがとう」と伝えてもいいのです。

「もしかして、毎回、上手く伝えられていなかった?」とAさんが会議の内容を確認しに来る動機を
確かめることだってできます。

「会議中、Aさんへの配慮が足りなかった。今後は、しっかり伝わるような時間にするね。
さて、何を確認したいの?」とAさんの姿勢をねぎらうこともできます。

「Aさん。会議のたびに確認させてしまい、Aさんの時間を浪費させてしまい申し訳なかった。
私の伝え方に問題があったね。どんな伝え方がAさんに合うのか、教えてもらえないかな?」と
Aさんの態度を未来につなげることだってできます。

最初の他者責任のコミュニケーションと、次にご紹介した自己責任のコミュニケーション、
どちらの方がAさんとの関係は上手くいきそうでしょうか。

私たちの記憶には生活環境から身につけた文化、言語、人生、人格、性格、情緒、価値観、知覚、
指示、命令が無意識にあり、コミュニケーションに言葉と一緒に
それらのメッセージがついてくるのです。

実は、非言語コミュニケーションにおいて重要なのは
これらの環境から身につけた無意識にある違いを尊重することです。

非言語コミュニケーション。

その能力は、一人ひとりの誰にでも備わっています。

ぜひ非言語コミュニケーションをみがいて、人間関係をスムーズにし
身近な人との信頼関係を築いていきましょう。

あなたにお勧めの講座です。

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