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【解説】非対面コミュニケーション

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【解説】非対面コミュニケーション

投稿日:2023年7月12日 / 最終更新日:2024年5月28日


非対面コミュニケーションは時間と場所の制約を超え
個人や組織が簡単にコミュニケーションを取ることを可能にします。

ここでは、非対面コミュニケーションで気を付ける点や工夫についてご紹介します。

非対面コミュニケーションとは?

「非対面コミュニケーション」とは、物理的な場所を共有せず、
直接的な視覚的な接触を必要としないコミュニケーション方法を指します。
これには電子メール、ソーシャルメディア、ビデオ通話、オンラインチャットなどが含まれます。

非対面コミュニケーションの必要性・コンタクトレス社会の出現

2020年のコロナ禍の影響を受け、デジタル化とグローバリゼーションは急速に加速しました。
社会構造やビジネスの仕組みが変革し、「コンタクトレス社会」の概念が大きく注目されました。

コンタクトレス社会とは、人々が物理的な接触を最小限に抑え
非接触型のデジタル技術やオートメーションを活用してさまざまな活動を行います。

具体的には、現金やカードの挿入を必要としない電子決済、自動ドア、タッチレスセンサーを
備えた機器などが一般的になり、人々が手や物体などを触れずに
行動できる社会を目指すことを指します。

職場における変化としては、オンライン会議やチャットなどを活用した
リモートワークが挙げられるでしょう。

企業は、全国や全世界、会社以外の環境において分散したチームを組成し
Microsoft Teams、Zoom、Slackなどのオンラインプラットフォームを使って
非対面での協働が行われています。

オンラインによる非対面コミュニケーションで
人々は地理的な制約を超えて仕事をし、交流を持つようになりました。

また、場所を確保したり、参加者の都合を合わせたりすることに掛ける時間が減り
社会の激変するスピードに合わせるかのように、簡単に集まることが可能となりました。
時間と場所の自由度の向上によるコミュニケーションコストの削減は、生産性の向上につながっています。

非対面コミュニケーションの問題点

しかし、非対面コミュニケーションには問題点もあります。

人々は、相手の表情やジェスチャーなどの「非言語情報」を利用して
相手の意図や感情を推測しようとします。

ところが、オンライン環境ではこれらの情報が制限されるため
予測が間違っている可能性が高くなります。

その結果、自分の予測を修正する必要が生じ、認知的な努力が必要となります。
対面コミュニケーションで利用できる非言語情報を得ることができないため
非対面コミュニケーションでは誤解が生じやすいのです。

コロナ禍が明けて、それまでは「在宅勤務」を推奨していた会社が
一転してリモートワークを禁止し「原則出社」に戻す、というニュースを
耳にしたことがあると思います。

原則出社となった企業の中には、「非対面コミュニケーションでは
コミュニケーションが上手くいかなかった」という結論を出したところもあります。
非対面コミュニケーションの問題を克服できなったことが、ひとつの要因なのかもしれません。

ただ、それについては
「そもそも、非対面コミュニケーションの問題を認識していなかったのではないか」と推察しています。

オンラインとリアルとは、コミュニケーションの方法は異なる

「コミュニケーションには、対面コミュニケーションと非対面コミュニケーションがあります」

このようにお伝えすると、確かにそうですよね、とか、コミュニケーションは2種類あるのだなと
双方に違いがあることに対して、皆さん納得をしてくださいます。

ところが、少し言葉やニュアンスを変えて
「オンラインでは、リアルとはコミュニケーション方法が異なります」と
お伝えすると、驚かれる方がとても多いのです。

オンラインでは、非対面におけるコミュニケーション方法が求められているのですが
リアルのときと何も変わっていない。
今までと同じ「伝え方」「聞き方」をしている。

リアルでやっていたことをただオンラインで映しているだけで
非対面コミュニケーションならではの「伝え方」「聞き方」をしてこなかったということです。

その結果、次のような問題が発生しやすくなります。

  • ニュアンスが伝わらない
  • 参加者からの反応や発言が少ない
  • 納得感が得られず、結論が出ない

ここに、非対面コミュニケーションが上手くいかなかったという
原因の一端があるのではないかと考えています。

オンラインは「リアルの代替」ではありません。
オンラインに合わせた、非対面ならではのコミュニケーション方法が必要です。

これからの時代は、非対面コミュニケーションスキルを磨こう

コロナ禍が明け、これからは人とリアルで会うことの価値が見直されると思います。

一方で、私たちは、オンラインでつながることを体験し
その利便性を知ることで、新たな判断基準や価値観が作られました。
そのひとつが、「この人とは時間とお金を使ってまで、リアルに会う価値があるのか?」というものです。

出張や会食の自粛解除の企業も出てきましたが、その判断基準はコロナ禍前に戻るわけではありません。
「コストに見合うものなのか?」「オンラインじゃダメなのか?」という問いが必ず付いてきます。

「取引先との交渉は、相手の雰囲気を見ながらの方が進めやすい」

確かにそうかもしれません。
しかし、それはあくまでも自分側の都合であって、相手が「実際に会って、話をするだけの価値がある」と
考えてくださっているとは限りません。

また、「オンラインで資料を共有しながら短時間でニーズを合わせ対応してくれるのは
検討する際に非常に助かる」という価値観もあるでしょう。

「リアル」と「オンライン」、どちらの方が良い悪いという二項対立の考えではなく
それぞれのコミュニケーションの良い部分を上手く活用しましょう。

非対面コミュニケーションスキルを磨くことで、オンラインで好印象を残し
「今度はリアルでもお会いしたいです!」と言ってもらえる人を目指してみてはいかがでしょうか。

また、人生100年時代を迎え、私たちは新しい働き方を意識するようになっています。
現在、生産年齢人口は減少し続けており、それは2065年まで続くと想定されています。
そのような中で注目されているのが、全国からつながる在宅ワーカーです。

オンラインの働き方は、時間と場所の柔軟性、仕事とプライベートの調和
多様なキャリアの可能性を提供します。

現時点では、職場のマジョリティに合わせた働き方が推奨されてしまうことがあるのかもしれません。
それでもこれからの時代は、職場に多様性溢れる人材が集まることで、仲間とどのようにつながるのか
どのようにコミュニケーションを取るのかが求められるでしょう。

リアルで会うことの価値が見直されたとしても、私たちの生活は
非対面コミュニケーションから切り離されることはありません。

むしろこれからの時代は、どうリアルとオンラインを使い分けるのか、
戦略的にオンラインを使うこと、戦略的に非対面コミュニケーションを使うことが求められます。

非対面コミュニケーションはこれからの時代を生きる上で、必要なスキルであると考えています。

非対面コミュニケーションのメリット&デメリット

この章では、非対面コミュニケーションのメリットとデメリットについて解説します。
まずはデメリットの方から見ていきましょう。

非対面コミュニケーションのデメリット

非対面コミュニケーションのデメリットは、「感情や微妙なニュアンスが伝わらない」ことです。

非対面コミュニケーションでは
相手の非言語情報、非言語的なサインや表情などが見えない場合があります。
非言語的なサインとは、言葉以外の手段を使って情報を伝えるコミュニケーションのことです。

他者とコミュニケーションを図る上で、態度や姿勢、表情や顔色、声のトーン、話す速度
ジェスチャー、視線などは、言葉以上に大きな役割を果たします。

しかし、非対面コミュニケーションでは、メールやチャットからの文字情報だけであったり
音声のみであったり、オンライン会議であっても、相手が映る四角に区切られた枠が全てです。
非言語情報が得られないために、感情や微妙なニュアンスが伝わらないのです。

非対面コミュニケーションのメリット

非対面コミュニケーションのメリットとしては、次のようなことが挙げられます。

  • 時間と場所の制約を超えてコミュニケーションが可能である
  • コミュニケーションコストが低下する
  • 相手の気持ちや求めていることをくみ取れるようになる

非対面コミュニケーションでは、「相手の気持ちや求めていることをくみ取る」ことが重要です。
対面で無意識に行っていた、相手からの非言語のサインを受け取ることができなくなったわけですから
意識的に「相手を理解する」必要性が出てきたということです。

相手を理解しよう、相手に寄り添おうとすることは、対面、非対面にかかわらず
コミュケーションにとって最も大切な姿勢です。

相手の言動をよく観察することで、態度や姿勢、ジェスチャーなどの
自分自身が発信する非言語コミュニケーションを振り返るきっかけにもなるでしょう。

非対面コミュニケーションの工夫・気をつけること

非対面ではお互いに非言語的サインが受け取りにくいため、感情や微妙なニュアンスが伝わりません。
非対面コミュニケーションを上手く行うために、次のような工夫をしてみましょう。

言葉にして伝えよう

日本人特有の文化に、「空気を読む」というものがあります。
共通認識や文化的背景、知識を前提として、言葉にして伝えなくても
お互いに察し合うことでなんとなく通じる文化です。

言葉による説明は少なく、会話の際は表情の変化や声のトーン
体の動きなどの行間を読むことが求められます。

対面の場合、「今日中に必要な資料の作成が間に合いそうにない」と同僚が困っていたら
「手伝おうか?」と声を掛けることができます。

頼まれたわけでもないのに、そのときの状況を察して、その判断に至るわけです。

非対面コミュニケーションでは、察することが難しくなるわけですから
はっきりと言葉にして伝える必要があります。
この場合では、「手伝ってください」と言葉で伝えるということです。

また、非対面コミュニケーションでは非言語情報が伝わりにくくなっているため
あなたの感情、嬉しい、驚いている、困っている、なども言葉にして伝えましょう。

「それはよいですね!」などと相手の意見に共感していることや
「いつもありがとうございます」という感謝の想いも言葉にして伝えてください。

逆にあなたが聞く立場であるのなら、相手に上手く質問をして、相手の心情を言語化してもらいましょう。

相手をよく観察しよう

オンライン会議でよくやってしまうのが、相手をよく見ることよりも
画面に映る自分の姿に気を取られてしまうことです。

相手の画像からの受け取れる、限られた非言語情報を大切にしましょう。
自分を見るのではなく、相手のことをよく観察してください。

先ほど「言葉にして伝えることが大切」だとお伝えしましたが
言葉で分かりやすく伝えさえすれば、必ず分かってもらえるものでしょうか。

頭で理解できても、感じ方は相手と自分とでは違うかもしれません。
人には性格や育ち、価値観、そのとき抱えているさまざまな事情があり、それは千差万別です。
伝え方や、伝える順番を変えていかなければ、納得してもらえないこともありえます。

「相手には相手の事情や心情があり、自分とは違うのだ」ということを
心して場に臨むのとそうでないのとでは、対応も結果も違ってくるはずです。

そして、その心情は、相手が直接的には言語化していなくても
その人の言葉使いや頻繁に使う単語や接続詞、話し方に表れてきます。

相手の発言を注意深く観察し、その心情を読み解いてみましょう。
相手を知るヒントが見つかるはずです。

伝わるための工夫をしよう

始めた当初と比べると、オンライン会議にはずいぶんと慣れたものの
それでもオンライン会議はリアルの会議よりも疲れるという意見があります。

人は、今の自分の認識が、自分が予測したものと違っているとき
つまり、認識のズレが生じたとき、「それを修正しなくてはいけない」と
努力するため疲れてしまうとされています。

つまり、非対面コミュニケーションでは、認識のズレが生じやすいということなのです。
予測と違う最も分かりやすい例は、ネット環境の都合で、オンラインで画像が止まったり
音声が遅れたりすることでしょう。

そして、非対面コミュニケーションでは、非言語情報の欠如による認識のズレが発生します。
視覚情報と聴覚情報が異なるというのも、認識のズレの一種です。

言葉では「嬉しい」と言っているけど、顔が笑っていない。声が弾んでいない。
情報を受け取る側は「本当に喜んでもらえているのか?」と困惑してしまいます。

非対面コミュニケーションで伝えられる非言語情報は、ほんのわずかです。
だからこそいつも以上に、非言語を大きく膨らませて伝えてみましょう。

表情、声のトーン、身体の動きなど、非対面コミュニケーションでは
オーバーにリアクションするぐらいの方が良いとされています。

また、ちょっとしたことなのですが、画面共有した資料の文字情報に対しては、まずはそのまま読みましょう。
言葉を変えて伝えるのではなく、資料そのままの言葉を使いましょう。

非対面コミュニケーションでは、言葉を揃えること、共通言語を作ることは、とても効果的です。

このように非対面コミュニケーションでは、認識のズレを少なくするために、受け手に寄り添い、
その人が受け取りやすいようにメッセージを伝えることが、より重要となってきます。

まとめ

非対面コミュニケーションは現代社会における重要なコミュニケーション手段であり
その重要性は今後も増すでしょう。

非対面コミュニケーションを最大限に活用するためには、あえて言葉にして伝えること
限られた情報から相手を観察すること、相手への伝わりやすさを考えるなど、工夫が必要です。

意識的に、「相手を理解しよう」「相手に伝えよう」と努めることで
あなたのコミュニケーション力は大きく向上し、時間と場所の自由といった
非対面コミュニケーションならではの恩恵をさらに活かせるようになります。

あなたもぜひ、「非対面コミュニケーション」の学びを深めてみてください。

著者プロフィール 椎名規夫(公認心理師、NLPトレーナー)

一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会 代表理事
経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長

1961年生まれ。茨城県取手市出身。

「変われなければ心理学ではない!」をスローガンに、心理の国家資格『公認心理師』の知識を活かして、日本で唯一、科学的根拠のある心理学をベースにしたコミュニケーションスキル(コーチング、カウンセリング、メンタリング、セラピー、コミュニケーション能力、コミュニケーション心理学)を提供。

エビデンスベースド(科学的根拠のある)心理学とコミュニケーション能力こそが社会人、ストレス社会、人生100年時代に役立つスキルと確信してトレーニングを実施中。

  • 総務省 「コミュニケーションの基礎に関する研修」
  • 全国6万社が加盟する厚生労働省の労働基準局所管特別民間法人『中央労働災害防止協会』にてコミュニケーション技術力研修担当10年以上
  • 労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当
  • 独立行政法人教職員支援機構にて全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング講座担当など
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