コミュニケーション能力は『人間力』
投稿日:2024年1月13日 / 最終更新日:2025年2月10日
コミュニケーション能力。
それは私たちにとって、とても大切な能力です。
コミュニケーションを専門に15年学び、伝える仕事をはじめてから10年が経ちました。
そして気づいたのは、コミュニケーションの達人たちは、驚くほどシンプルな能力を大切にしていることです。
子育て上手な母親、
優れた経営者、
ビジネスリーダー、
あのハウスメーカー「セキスイハ○○」東京支店のトップ営業マン、
プロカウンセラー、
コーチ…。
分野が違っても、達人と呼ばれる者たちは、共通するコミュニケーションテクニックを使っているのです。
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コミュニケーションとは『人』の在り方そのもの

「コミュニケーションとは、組織の在り方そのものである」P.F.ドラッカー
私たち一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会が、あの二十世紀最大の知の巨人と評されたドラッカー氏の言う組織になれているのか?
それには、まだまだ疑問が残ります。
それでも、私たちトレーナー協会は声を大にして叫びます。

私たちトレーナー協会にコミュニケーションを学びに来る方の中には、「まわりが思い通りにならない…」と悩む方もいらっしゃいます。
「一生懸命関わっているのに…」と自分を責めてしまう方もいます。
そのまわりとは、それぞれ、
子ども、
配偶者、
親、
上司、
部下、
恋人…。
自分のまわりにいる人とよい関係を築きたいからこそ、悩んでしまうのではないでしょうか。
起きている出来事は同じ
例えば、お母さんの「子育てのテーマ」はよく見かける光景です。
ある母親が、「最近、子どもが言うことを聞かなくなった。こんなに愛情をかけて育てたのに…」と嘆きながら、イライラしています。
更に、「どうすれば、子どもが言うことを聞くようになるかしら…」と子どもを変えようとします。
ところが、他のお母さんは、「最近、子どもが言うことを聞かなくなった。子どもが自分というものを持ち始めた…」とニコニコして喜んでいます。
更に、「これからどのように、私の関わり方を変えればいいのかしら…」と自分が変わろうとするのです。
二人のお母さんに起きている出来事は同じなのに、それぞれのお母さんの反応は異なるのです。
違いをもたらす受け取り方の違い
同じようなことは仕事場でも起こります。
例えば、上司に叱られたとき、「あの上司は私を嫌っている」と否定的に受け取る方がいれば、「上司は私に目を向けてくれている」と肯定的に受け取る方もいるのです。
さて、同じ出来事を「否定的に受け取った方」と「肯定的に受け取れる方」。
どちらが気分よく日常を過ごすことができるのでしょう?
もちろん、出来事を肯定的に受け取れる方たちが、気分よく過ごせることでしょう。
出来事をどのように捉えるのか?
ドラッカー氏は、組織の未来を創造する手段として、予期しない出来事が起きたときは、「それが本当にやるべき仕事かもしれないから疑え」と教えてくれました。
例えば、付箋紙としてよく利用される『ポストイット』いう商品は、強力な接着剤を開発する途中で、失敗作から誕生したそうです。
非常に接着力の弱いその接着剤は、直ぐ剥がれることを武器に世界で大ヒットする『ポストイット』を生みだしたのです。
接着剤の開発の失敗。
言うことを聞かない子ども。
上司から叱られること。
そうです。全ての出来事の意味は、私たちがどのように受け取るかで決まるのです。
私たちに「失敗」などないのです。
全ては「学び」なのです。
次に同じことが起きたときに、もっとうまくやるための練習なのです。
それは性格の違いとは異なります。
どのように日常の出来事に向き合うのか、私たちの普段の姿勢で決まるのです。
私たちは失敗から学びます。
そして、学んだことを実践し、次回から成功するように行動します。
それを「責任」と言います。
責任とは、失敗に気づき、繰り返さないように自分が成長を続けること。
失敗して責任を取る生き方こそが、自己実現を果たす生き方なのです。
正に、コミュニケーションは『人』の在り方そのものです。
深化の時代に求められるコミュニケーションスキル

コミュニケーションは時に、トラブルを引き起こすことがあります。
更に、相手を思う気持ちが強いほど、コミュニケーションのミスマッチは起こります。
でも、大丈夫です。
シンプルなコツさえわかれば、私たちはストレスのない日常生活が送れるのです。
それでは、『深化の時代』に求められるシンプルなコミュニケーションスキルをお伝えしましょう。
求められているコミュニケーションとは?
深化の時代、Beingレベルのコミュニケーションが注目されています。
Beingレベルのコミュニケーションとは、深い人間関係を作るスキルです。
それは、テクニックを超えたスキルです。
具体的に、Beingレベルのコミュニケーションを紹介しましょう。
例えば、あなたはある会社のリーダーだとします。
ある日、そんなあなたのもとに部下が相談にきます。
部下:「リーダー、実は仕事が遅れていて…、言えませんでした…」
リーダーとしてあなたは、どう対応しますか?
もちろん、怒ってもいいでしょう。
叱ってもいいでしょう。
そして、慰めるのもOKです。
「実は仕事が遅れていて…、言えませんでした…」と相談してきた部下に、Beingレベルなら次のように対応します。
「責任感が強いから言いにくかったんだね…」
「そんなときのために私たちがいるんだよ…」
「君は正直だなぁ…」
「そんな君と仕事ができて安心だよ…」
いかがですか?
これらがコミュニケーションの達人たちが使う言葉です。
このような言葉をかけられたら、部下はホッとして安心するでしょう。
そして、上司の下で仕事ができることに誇りを感じるでしょう。
信頼関係が深まり、部下のモチベーションが上がります。
このようなシンプルなやり取りが、まわりと深い信頼関係を構築し、相手のモチベーションを上げることに繋がるのです。
社会から求められるコミュニケーション能力です。
Beingレベルのスキルがモチベーションを左右する
コミュニケーションの達人たちは、まわりにさまざまな影響力を持ちます。
深い信頼関係の構築。そして、感情とモチベーションをコントロールし、人間関係、子育て、マネジメント、コーチング、カウンセリング、マーケティング、営業トーク、それぞれの分野で卓越した成果を手にするのです。
同じことを実践しても成果につながらない方は、相手と深い信頼関係が構築できていないと考えられます。
そうです。Beingレベルのコミュニケーションを身につけることが、今の時代に求められているのです。
Beingレベルのアプローチが、優れた信頼関係を作ります。
Beingレベルのスキルは、関係性にアプローチする能力です。
そして、Beingレベルのコミュニケーションが、仕事と日常生活を充実したものにするのです。
Beingレベルのコミュニケーション能力は「コミュニケーションの土台」です。
コミュニケーションがうまくいかないと悩んでいる方は、もしかするとうわべのテクニックに溺れているのかもしれません。
Beingレベルのコミュニケーションという土台がないのに、テクニックという刀を振りかざしても、世の中で溺れてしまうようです。
自分とまわりの成果を左右するコミュニケーションを、一緒に学びませんか?
コミュニケーション能力が自己実現を可能にする

社会で求められる人材の能力とは、自分に与えられた問題を「成長の機会」としてとらえて、楽しんで乗り越えていく能力です。
ある大手人材育成会社によると、会社を辞める一番の理由は人間関係をテーマにしたものだそうです。
そして、人間関係のテーマの本質とは何か?
それは、「自分の存在が求めれているのか?」ということです。
2013年。メジャーリーグでチームを世界一の栄冠に輝かせた立役者である上原浩治投手は、「なぜ、今年は活躍できたのですか?」との問いに、次のように話していました。
「自分が求められているのをヒシヒシと感じたから、それに応えようと思って頑張れた」
彼は一時、メジャーリーグで期待どおりの活躍ができない時期がありました。
その理由を彼は次のように述べました。
「まわりから求められていることが感じられなかった」
そうです。期待されること、存在を大切にされることによって、私たちは潜在能力を発揮することができるのです。
だからこそ、仕事、マネジメント、人材開発、人材育成、子育て、家族、プライベート。
社会全体でコミュニケーション能力が求められているのです。
社会で求められているコミュニケーション能力とは、自分とまわりの潜在能力を発揮させることです。
上原投手をやる気にさせたように、自己実現の援助をしませんか?
私たちはだれでも、上原投手がやる気を出したように、まわりに肯定的な影響を与えるコミュニケーション能力を持つことができるのです。
時代が求める人材の能力とは?

私たちトレーナー協会は、時代が求める4つの能力をテーマに、コミュニケーショントレーニングを実施しています。
- 気づく力
- 寄り添う力
- 関係性を構築する力
- 自己開発する力
コミュニケーションは、人生を更に楽しく豊かにします。
気づく力
ある大手企業の人事部の方の話では、自分に与えられた仕事をするのは得意でも、自らそれ以上のことをする新人が減っているそうです。
自分の仕事を全うすることは大切ですが、期待以上の成果を上げることも大切です。
それには、気づく力が必要です。
気づく力は、仕事、プライベートにおいて『気くばり』『思いやり』『おもてなし』と表現され、社会を生き抜く人間力の基本なのです。
寄り添う力
例えば、上司の仕事は部下の成果を上げることであり、部下の仕事は上司の成果を上げることです。
そこで、まわりを上手に成長させるには、見守る姿勢が大切です。
なぜならば、一般的にプロセスがよくても、結果が伴わなければ評価されない世の中です。
結果が重要視される社会では、プロセスが無視されがちです。
プロセスが無視されると、モチベーションが下がります。
プロセスが評価されないと、大きなストレスにもなります。
そこで、褒める、叱る以上に、ねぎらうことが大切です。
寄り添う力は、関わる者たちのモチベーションになります。
リーダーとしての資質の一つです。
関係性を構築する力
多様な価値観が尊重される社会に変わりました。
一昔前は、同じ価値観を持つことが大切にされました。
今の時代は個の価値観が尊重され、仕事も専門性が問われる時代になりました。
専門性を持つことは強みですからよいことです。
ところが、専門性を持つスペシャリストほど、まわりとのコミュニケーションに悩んでいるようです。
専門性を持っていたとしても、まわりとの関係はよくなければ、成果を手にすることが難しくなります。
自己開発する力
問題や壁に向き合うときに、それを乗り越えることを「成長」と受け取る能力。
それが自らを開発する力です。
そうです。問題を乗り越えることが成長です。
社会に求められているコミュニケーション能力は、問題を楽しみながら乗り越えていく力なのです。
リーダーとして、絶対に身につける必要があります。
求められる能力を学ぶ前提|『自分自身』でいること



求められているコミュニケーション能力を身につける必須条件が、リラックスする力です。
安定した、よい状態の自分自身でいることです。
なぜ、リラックスした自分自身でいることが、コミュニケーション能力を学ぶ上で必要なのでしょうか?
それは、リラックスし、よい状態でいることで、私たちは成果を手に入れることができるからです。
私たちは、どんなに知識があっても成果を手に入れることはできません。
例えば、大学受験を考えてください。
本番前の模擬試験でよい成績をとっても、本番で緊張してしまえば実力が発揮できません。
能力が発揮できなくては、不合格になるかもしれません。
また、どんなに知識があっても、会議やプレゼンの場などで緊張してしまったら、本来の実力が発揮できません。
緊張が元で人前で話すのが苦手な方は、まわりから能力が低いと誤解されたりします。
能力を発揮するには、リラックスする力が必要となるのです。
人前で緊張してしまう方。
プレゼンなどで頭が真っ白になり、何を話していいのか分からなくなる方。
会議などで過度に緊張する方。
そんな方への対処法の一つが、いろいろな状況下で自分自身をリラックスさせるスキルなのです。
リラックスすることは、知識を成果に繋げるためのスキルです。
コミュニケーションを実践するための前提なのです。
『深化の時代』をワクワクして生きる。Beingレベルと関係性レベルのトレーニング
私たちトレーナー協会では、Beingレベル、関係性レベルに重点を置いています。
Beingレベル、関係性レベルのコミュニケーショントレーニングは、正直、簡単に身につけることは難しいでしょう。
繰り返しのトレーニングが必要になります。
ただし、一度身につけば一生もののスキルとなり、自分とまわりの自己実現に深く関われる存在になることでしょう。
Beingレベルと関係性レベルのコミュニケーショントレーニングは、自分とまわりの存在を大切にするスキルです。
そのスキルが身につくと、次のような存在になれます。
- チャンスを提供し、自分では気づかなかった挑戦課題に目を向けさせる存在
- まわりから絶対の信頼を置かれる存在
- いかなるメッセージにも耳を傾けたくなる存在
- 耳の痛い事柄を伝えつつ、こちらの言い分にも耳を貸してもらえる存在
- 向上心をかき立ててくれる存在
- リスクを冒しても大丈夫であるという気持ちにさせる存在
- 内なる不安や疑問を乗り越えられるだけの自信を与える存在
- 既存の目標よりも、さらに高い目標の設定を後押しする存在
Beingと関係性レベルをトレーニングして、このような存在になってこそ、『聴き方』『伝え方』『質問力』『信頼関係の作り方』『叱り方』『褒め方』というテクニックが活きるのです。
Beingと関係性レベルのトレーニングこそ、深化の時代を生きるコミュニケーション能力です。
自分とまわりの自己実現が可能になるのです。
『自分自身でいること』と『自分とまわりの自己実現』
安定したよい状態の自分自身でいると、「気づく力」を持つ存在として、自分とまわりに気配りができます。
そして、気づきから「寄り添う力」が生まれ、優しくなれます。
優しさは「関係性を構築する力」です。
一人では成し遂げられない貢献を、まわりの人と一緒にできます。
それこそが「自己開発する力」です。
自己実現のプロセスです。
コミュニケーションは『人』の在り方そのものです。
だから、コミュニケーションを学ぶ方が大好きです。
トレーナー協会は、『人』と真摯に向き合うトレーナーが集まり設立されました。
私たちコミュニケーショントレーナー協会のメイン活動の一つは、自分とまわりの自己実現、自己開発を支援するコミュニケーションを全国に広げることです。
そして、もう一つのメイン活動が、自分とまわりの自己実現、自己開発を支援するコミュニケーションを全国に広げる「コミュニケーショントレーナー」を育成することです。
私たちは、コミュニケーションを通して世界中を笑顔にする人を育成する団体です。

一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会
代表理事
