『どうにもならないことを、どう乗り越えたのか』──何もできなかった友への手紙。
投稿日:2025年7月3日 / 最終更新日:2025年7月2日
すべては自由である、残りがあるとすれば貢献。
お先真っ暗。
希望が見えない。
そんな時、アイツは、どうやって乗り越えたのか?
20年が過ぎて、一言の大きさをかみしめた。
そして、人の上に立つものとなった彼の言葉は、
万人に役立つ経験になる。
心を熱くしながら思った。
高すぎる壁との出合い。
八方手を尽くした。
切羽詰まる。
今すぐ、何かが求められている。
でも、どうにもできない。
「お金……」
「悲嘆……」
「裏切り……」
死を選ぶことも考えたかもしれない。
きっと、誰にでもあるんじゃないかな。
約20年くらい前かな。
友から「相談がある」と呼ばれて、
チェーン店の鮨屋の個室で喋っていた。
当時、彼は、取引先の倒産で大きなお金が必要だった。
俺にはどうすることもできない。
話を聞いて、うなづくことが精一杯。
彼は、俺に相談する前に一回り年上の兄貴にも相談したらしい。
血の繋がった存在だ。
どんな援助をしてくれたんだろう。
興味深く聞いた。
兄貴が授けてくれた『万人の知恵』。
あの出来事を乗り越え、
立派な人生を送っている友に聞いた。
「君が低迷していたとき、
君が兄貴に相談したら、
『どうにかなる。これまでもどうにかなってきたろう』って言われた。
そうやって俺は聞いた。
覚えてる?
君はどうにか乗り越えて、
どうにかなっちゃったね。
どうすれば、
どうにかなっちゃうんだ?」
朝の6時前なのに、
スグに彼から返事が来た。
「よく覚えてるね。
できないと思うと壁ができる。
できると思えば道はひらけるかな。」
「思う」だけ。
それだけ。
現実をつくるのは「思う」ことなんだ。
「そうは言っても現実は……」と思った人は、
やらない言い訳を「思う」ことで現実にしたんだ。
自ら、道を閉ざすんだ。
たぶん、ぐちを言いながら生きるのだろう。
「なるほど、『思う』だけで違いをつくれるのか!」と「思う」ことができた人は、
そうやって自ずから道を開いていくことができるんだ。
これって、万人に役立つ知恵じゃない。
そして、私たちが経験してきたことじゃない。
形は違っても、
こうやってどうにか生きてきたんじゃない。
言葉の力。
やはり。
言葉なんだ。
苦悩、苦境にある時。
人を前に進めるもの。
どん底から這い上がらせるもの。
それは、言葉なんだ。
どんな言葉を使うかで、
人生が別れるんだ。
ということは、摩訶不思議な言葉とは、霊妙ではないか?
ずっと、思い続けてきた、
20年、俺はアイツを助けることができなかった。
ただ話を聞くだけ。
鮨屋の個室で、
二人で寝そべって話をしていただけだった。
20年の熟成を経て、
アイツを助けられなかった俺は、
アイツから知恵を授かった。
アイツは、志高く、時間をまちづくりに使っている。
すごくなった。
勇気とは、人生の困難から逃れようとせず、
その身を賭して生きる者のことだった。
『できないと思うと壁ができる。できると思えば道はひらけるかな。』
アイツの奥深い知恵を宿した眼差しが見えただろうか。
経験に意味が潜んでいたとしても、
それを理解できるようになるまで時間の経過を要することがある。
先人の知恵。
「思う」ことは自由。
「思う」ことは選べる。
「思う」ことで現実と理想が同じうなる。
すべては自由である、残りがあるとすれば貢献。