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【解説】マネジメントにおける1on1ミーティングをうまく機能させるための6つのステップ

一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会

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【解説】マネジメントにおける1on1ミーティングをうまく機能させるための6つのステップ



部下とのコミュニケーションや人材育成を目的に
「1on1ミーティング」を導入する組織が増えています。
その反面、それが生産性の向上に寄与しているエビデンスは乏しいのが現状でしょう。

近年、職場での心理的安全性が注目されています。
心理的安全性とは、自身の気持ちや意見を臆することなく安心して発言できる状態をいいます。

ところが、部下の都合を尊重しない指示命令、成果主義の組織、権威主義的な上司など、
職場によって環境はさまざまです。
このような職場で働いているスタッフの方の心理的安全性は確保されているのでしょうか?

また、有名企業に所属するスタッフであれば、多少のパワハラやセクハラなどがあっても
企業ブランド価値に守られている環境から離れることには抵抗があるでしょう。

離職率が低い理由が、ブランディングされた企業に所属することに意義を見出しているとすれば
心理的安全性が確保されているとはいえません。

マネジメントの本質は人とのかかわりにあります。ですから、その理解が重要です。

なぜ、マネジメントにおける「1on1ミーティング」が機能しないのか?

「マネジメントとは?人の心、人の本質にかかわるものです。」  P.F.ドラッカー

P.F.ドラッカーが指摘するように、人の心と本質に対する理解がなければ 成功するマネジメントは難しいものとなります。
本質を理解しない形だけの1on1ミーティングは機能しません。

この基本的な考え方を踏まえながら、ここでは1on1ミーティングの前提を探っていきましょう。

①マネジメントとは、人の心、人の本質にかかわるもの

単なる業務の管理や指示がマネジメントと呼ばれていたのは、遠い昔のことです。
マネジメントとは、人が共同して成果を上げること。 組織全体、チームが共同で目標を達成することです。

②強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすること

マネジメントは、一人ひとりの強みで協力し、誰かの弱みを無意味なものとして 生産的に成果を上げることです。

マネジメントが正しく機能することで、組織全体の成果に貢献し
働く者の満足度を高め 時代の変化を乗り越えられる持続可能な組織を創出します。

③1on1ミーティングが機能しない理由とは?

上司が部下を一人の人間ではなく、成果を上げるための道具だと見ている場合
1on1ミーティングはうまく機能しないでしょう。それは、マネジメントの失敗を意味します。

上司が1on1ミーティングを実施する意義を理解し 「思っていることを率直に発言しても大丈夫だ」という
部下の心理的安全性を確保しながら 実施することが大切です。

「1on1ミーティング」を機能させるには?

1on1ミーティングを機能させるために、必要なことをお伝えします。

①部下の強みを把握する

人は強みでしか仕事を通して自己実現できません。 もし、上司が部下の強みを把握していない場合
その部下のパフォーマンスだけでなく チーム全体のパフォーマンスを最大限に引き出させない可能性があります。

上司は部下の強みを見つけるスキルを身につけるしかありません。
ドラッカーマネジメントによると、強みの見つけ方は「フィードバック分析」以外にはありません。

部下を持つ者は、フィードバック分析のスキルを身につけましょう。
その上で、部下には強みを活かした仕事を任せましょう。

②短期的な成果にこだわり過ぎず、長期的な視点を持つ

長期と短期の成果のバランスが取れないと、上司と部下の関係はぎくしゃくします。
なぜならば、すべての目標、失敗は、大きな流れの中の通過点でしかないからです。

上司が目の前の業績や数値などの短期的な成果にこだわり過ぎてしまうと
部下の成長やスキルの引き出しを見逃してしまう可能性があります。
長期的な視点と短期的な成果を調和させることが重要です。

③一人ひとりに対して敬意を持つ

社員を売上・業績を上げるため道具として扱うと、彼らのモチベーションは低下します。
その結果、予期しない離職などの影響が生じる可能性があります。

働く者は血の通う人間です。 上司が一人ひとりの尊厳、人間性、感情、期待を無視してしまうと
人の働く動機づけを低下させてしまう恐れがあります。

「1on1ミーティング」を機能させる6つのステップ

以下の6つのステップを通して、1on1ミーティングが連続的な成長と改善を促進し
部下との信頼関係を深めることが期待されます。

ステップ1:職場の心理的安全性を確保する

部下の意見や気持ちを共有できる、オープンで無批判なコミュニケーション環境を整えましょう。
上司はフィードバックや質問に対して、受容的で寛容な態度を心がけます。
そうすることによって、自発的で生産的なミーティングに発展するでしょう。

ステップ2:部下の価値観、期待に寄り添う姿勢

一人ひとりの部下の価値観・期待を尊重して、ミーティングを始めます。
上司の言いたいことから1on1ミーティングを始めるのはご法度です。

ステップ3:部下の成果から始める

1on1ミーティングのスタートは、部下の成果や実績に焦点を当てます。
ポジティブフィードバックが原則です。
成果や実績に焦点を当てることは、部下の動機づけモチベーション、自信を高めます。

ステップ4:部下の自発的継続的改善を探る

部下から成果を伝えてもらった後は、さらに良くする継続的改善案を提案してもらいます。
その上で、どのようなサポートやトレーニングが必要かを確認し
部下が主体的に成長できる環境を整えます。

ステップ5:助言やアドバイスは相手の承諾を得てから伝える

上司から部下への助言やアドバイスは、部下への理解を深めた上で また、相手に承諾を得た上で行います。
科学的根拠のある心理学によると、一方的な助言やアドバイスは信頼関係を危うくします。

ステップ6:新しい目標を設定する

部下の成果に焦点を合わせ、十分なフィードバックを踏まえて、新しい目標を共有・設定します。
目標は具体的で測定可能なものであり、部下が自発的に取り組みやすいものに調整します。

まとめ

1on1ミーティングは、部下の成長と成果に貢献する手段です。
しかし、やり方を間違えると、上司と部下との関係をぎくしゃくさせてしまいます。
成果につながる1on1ミーティングを行うことが重要です。

著者プロフィール 椎名規夫(公認心理師、NLPトレーナー)

一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会 代表理事
経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長

1961年生まれ。茨城県取手市出身。

「変われなければ心理学ではない!」をスローガンに、心理の国家資格『公認心理師』の知識を活かして、日本で唯一、科学的根拠のある心理学をベースにしたコミュニケーションスキル(コーチング、カウンセリング、メンタリング、セラピー、コミュニケーション能力、コミュニケーション心理学)を提供。

エビデンスベースド(科学的根拠のある)心理学とコミュニケーション能力こそが社会人、ストレス社会、人生100年時代に役立つスキルと確信してトレーニングを実施中。

  • 総務省 「コミュニケーションの基礎に関する研修」
  • 全国6万社が加盟する厚生労働省の労働基準局所管特別民間法人『中央労働災害防止協会』にてコミュニケーション技術力研修担当10年以上
  • 労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当
  • 独立行政法人教職員支援機構にて全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング講座担当など
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