「私は、毎日、朝から一日の食事を考えます。そして、夕食が済んだ時、主人から『おいしい』の一言がなかった日は、『私の今日一日は何だったのか?』とガッカリしてしまいます」
投稿日:2025年6月15日 / 最終更新日:2025年6月14日
「許せない人がいる」。
「嫌いな人がいる」。
「毎日主人が家にいて、ウザいと感じる」。
それって辛いよ。
「嫌い、どうしてもヤダ……」
「あんなことされて、一生許さない……」
「ご飯が出てくるのを当たり前に思っている態度が許せない……」
熟年離婚の動機の一つみたい。
当たり前に思われている。
ご飯をつくってもらえる。
「毎日主人が家にいて、ウザいと感じる」
このテーマで、
妻と話していた。
俺が正論を言うと、
妻は「絶対にそんなこと言っちゃダメ!」と、
たしなめてくれた。
食事を準備するというのは、
悩ましい仕事なのだと言う。
以前に聞いた。
単身赴任から帰ってきた主人が、
ダイニングでご飯が出てくるのを、
当たり前に待っている姿がムカつく。
あーぁ、
そんなことも知らずに
ご飯を待っている我ら亭主族。
日々の感謝を怠ったらあかん。
最悪パターンで生活している俺。
ほぼ自宅にいる。
三食、
できるだけ妻の手料理が食べたい。
自己中心的な思いなのか……
ヤバい状況……。
ご飯をつくらない日の彼女、
すーごく、
リラックスした表情するもんな。
ウザいと感じる人といるのは辛い。
「嫌い、どうしてもヤダ……」
「あんなことされて、一生許さない……」
「相手の当たり前の要求を、腹立たしく感じる……」
面白くない。
相手の所為(せい)なのに、
辛いのは自分。
馬鹿らしくない。
自分の気持ちが、
他人のことで占有されちゃっている。
他人の行為で、
自分の生きる時間を奪われちゃってるんだ。
命のことだぜ。
これが自分を愛せない人の特徴だ。
自分の大切な時間を、
誰かとの嫌な時間を思ったり、
悩んだりすることで使われちゃうんだ。
自分を大切にする人だったら、
イヤなことに時間を使わないよね。
苦しいことに時間を使わないよね。
そうでしょ!
自分を愛し、
自分を大切にできるなら、
自分の時間を苦しいことに使うはずないじゃないか。
自分を愛するんだ!
「嫌いな奴が、どうしてもヤダ……」
その時は、
相手を気の毒に思うんだ。
誰かに嫌われることをしている相手が、
幸せなはずがないじゃないか。
そして、諦めるんだ。
「そういう生き方なんだ……、お気の毒に……」
「あんなことされて、一生許さない……」
あんなことをした相手は、必ず気づいている。
もしかすると、
相手はそのことを謝るタイミングを待っているかもしれない。
それは分からない。
だけれど、
他人のことで、
人生を前に進めるのを止めるのは、
善いことじゃないでしょう。
以前、ある社員が会社をやめて独立した時、
デジタルカメラなどを盗んでいたことが発覚した。
約20年前か?
独立するのに資金が足りなかったのか?
いろいろな備品も持ち去った。
腹が立ったよ。
でも、そんな人のために時間を費やしたくないじゃん。
一緒に仕事していた時には、
世話になったし……。
デジタルカメラをパクッて去った彼女、
今では市議会議員。
おもしろいね。
彼女。
絶対に俺たちに合わせる顔がないよなぁ~!
それって、
お気の毒だろ。
正しいことをしなかった天罰は、
本人に降りかかるんだ。
彼女が退職した時から、
そんなことは、
どうでもよかった。
泥棒のような真似をする社員を雇用していた自分に情けなかったけれど……
サラリーマン時代、
そんなものを盗ったことなんて、俺はなかった。
悪いことは沢山したけれど、
世話になった人のものは取らなかった。
あっそうか?
俺は彼女の世話が足りなかったってこと……。
さて、妻からたしなめられたテーマ。
「相手の当たり前の要求を、腹立たしく感じる……」
これが定年退職して毎日家にいるようになったご主人と奥様のテーマ。
ご主人、
奥様が三食、
作ってくれることを当たり前だと思っている。
その当たり前を、
ご主人は疑うことはなかったのかな?
当たり前のことほど、
不思議なものはないよね。
この場合だって、
ご主人の当たり前が、
奥様の離婚の動機になっちゃって……。
でも、
ご主人のことは変えられない。
相手のことは変えられないんだ。
だから、
奥様は離婚しようとしているんだ。
この場合、
奥様が自分の時間を、
ご主人のことで占有されてしまっているのが問題なんだ。
それがイヤなんだ。
ご主人のために時間を使うことがイヤなんだ。
じゃ、どうする。
この奥さんは、
自分を愛し足りないんだ。
これまで、
どれだけご主人、家族に尽くしてきたのか?
自分で自分を労わるんだ。
俺は、
母親から約21,000回、
食事を準備してもらった。
妻からは25,000回。
母、妻に「ありがとう」以外にないよ。
どれだけ彼女たちが大変だったのか?
彼女たち、
毎日、何を作ろうか?考えていた。
終わりのない、繰り返しのように。
そんな時、
妻があるワークショップに参加した。
その時、
妻の葛藤するテーマが耳に入った。
「私は、毎日、朝から一日の食事を考えます。
そして、夕食が済んだ時、
『おいしい』の一言がなかった日は、
『私の今日の一日何だったのか?』
とガッカリしてしまいます」
当たり前に気づいたよ。
涙がこぼれそうになった。
どれだけ、
人生を応援してもらえていたのかに気づいたよ。
俺は気づけた。
だけど、
当たり前に家事をしてくれていると”思っている”亭主族は多い。
皆様、揃ってお気の毒様。
当たり前は、当たり前じゃないんだ。
ご主人は、
自分が奥様から嫌われていることに気づけないお気の毒。
奥様達は、
そんなご主人を、
どう育てるのかね?
その方法は、
ちゃんと伝えたよ。