「人間関係」「対人関係」のテーマは、問題ではなく『自然』です。
投稿日:2025年7月31日 / 最終更新日:2025年7月30日
「人間関係」「対人関係」がうまくいったら人間を卒業。
「うまくいかない」が、ふつう。
「人間関係がうまくいかないんです」
「どうしてあの人と分かり合えないんだろう」
そんな声をよく耳にします。
でも、考えてみてください。
人間関係が“うまくいく”ことって、本当にあるのでしょうか?
私たちは、価値観も、育ちも、感情も、みんなバラバラ。
むしろ、うまくいかないのが普通で、うまくいったら奇跡だと思いませんか?
「完璧な関係」は、神か?仏か?AIか?
他人とうまくやれる、どんな相手とも誤解なく心が通じ合う。
そんな存在がいたら、それはもう“人間”ではないかもしれません。
人間関係が完全にうまくいっているとしたら、その人はもう「人間を卒業した存在」なのではないでしょうか。
仏のような心、神のような包容力、AIのような非感情性。
でも、私たちは“人間”です。煩悩に溢れる困った生き物でしょう。
うまくいかないが当然です。
煩悩だらけの私たち人間。
仏教では、人間は「煩悩具足の凡夫(ぼんのうぐそくのぼんぷ)」と言われます。
それは、誰しもが欲・怒り・妬み・恐れ・執着といった感情に満ちた存在だということ。
そうじゃない人なんていないでしょう。
私自身、よくイライラし、嫉妬し、勝手に期待し、勝手に傷つき、勝手に怒っています。
不安になるのも日常茶飯事。
そんな人間同士が関わり合うのですから、
うまくいかないことは問題ではなく「自然」なのです。
うまくいっちゃう方が不思議。
もし、うまくいったときがあったとしても、
そうじゃなくなる時間はスグにやってくるでしょう。
「そんなことはない!」と思う方がいたら、まわりが我慢してるんじゃないかな。
そして、うまくいくことがあるとしたら、
多分、あの世に旅立つときではないか。
最後ぐらいはね。
『自然』は生きることを教えてくれる。
台風の日に外出を避けるよね。
天気は自然。
無意識に呼吸して、酸素を取り入れるね。
食べ過ぎてお腹を壊したら休むね。
体は自然。
危険な場所には近づかないよね。
心は、いろいろ気づかせてくれるね。
心は自然。
「人間関係」「対人関係」は、他人同士の心と心が触れあうことだよね。
そりゃ、うまくいかないじゃないか。
自然に揺れ動きっぱなしの心と心が鉢合わせするんだもの。
うまくいかないのが常識じゃない。
うまくいくほうが問題でしょう。
「人間関係」「対人関係」は自然。
いろいろなことを学ぶチャンスじゃないか。
期待通りにならないことを学べるチャンス。
だから、「人間関係」「対人関係」で何か起きたら、
「どうしよう……」「どうしたらいいの……」「なぜ……」。
こういう問いはご法度。
問いは一つ。
「その出来事が起きた価値は何か!」
これだけです。
答えは、必ず見つかると思うよ。