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コミュニケーション講座を受講された方からのメッセージ

蛯澤 美保子さん写真

蛯澤 美保子

職業 保健師

仕事のために学び始めたコミュニケーション心理学 が自分自身の変化を促した

まず、蛯澤さんのお仕事について教えていただいてもよろしいでしょうか。

私は保健師で、北海道の保健所に勤めています。

私が勤務する保健所では8つの市町を所管しており、保健師は精神障害を持つ方、難病の患者さん、結核患者さんなど、そういった方々のお宅に訪問したり、電話などによる相談を受けたりしています。

現在の私自身の仕事の多くは、市町の保健師を対象にした研修会や、200床未満の小規模医療機関の看護管理者を対象にした交流会などの企画・開催を行なったり、市町の保健活動を所内の他職種(栄養士や理療専門員など)と連携して支援を行うなどが、今やっている主な仕事のひとつです。

蛯澤さんがコミュニケーションを学ぼうと思ったきっかけは何ですか?

平成20年度から、「生活習慣病の健診と、健診で問題が見つかった方々を対象に保健指導を市町村(保険者)が行なう」という国の事業が始まることになりました。

その事業をバックアップするために、市町村の保健師さんたちを対象に、「住民が行動変容できるための保健指導」について、研修会を企画することにしたのです。

そして、住民自身が行動変容を起こすような指導について、何か具体的に市町村の保健師さんたちに伝えられるものがないか、と思っていたところ、コーチングが思い当たりました。

私たち道の職員を対象とした資質向上のなかに、コーチングのセミナーがあったので、それを受けに行ったわけです。

3日間の研修だったので実際はコーチングのさわりしか学べませんでした。
それでコーチングと同じような内容の学びの場がないかと探していたのです。

あるときインターネットで検索していたときに、日本コミュニケーショントレーナー協会のサイトで「コミュニケーション」という言葉を見かけ、それで知りました。

当時オホーツク海側の紋別市に勤務していた私には、東京に通うのが難しくて。
しばらくは、ただホームページの画面を見ているだけだったんです。

そのうち、札幌で入門セミナーが行われることを知って、参加してみました。
それが、札幌で行なわれる初めての講座だったんですね。

それも半日だけだったので、コミュニケーションのさわりしか学べなくて。
ただ、10日間コースを受けるには受講料のこともあり、決心がつきかねて。
後日、2日間コースがまた札幌で行なわれるというので、試しに行ってみました。

最初は仕事に使いたくて参加したんですが、その2日間で、自分自身の人に対する好き嫌いや、人間関係作りで行き詰っている部分があることを自覚して、コミュニケーションを学べばそういう部分を変えて行けるのかな、と思いました。

「継続してやってみませんか」という詫摩トレーナーからのお誘いもあり、悩みながら資格コースの受講を決めたというのがきっかけでした。

実際に受講されてみて、トレーナー協会の印象はいかがでしたか?

北海道に教えに来てくださったトレーナーのお話から、教える方達自身がさらに学びを続けているということを知り、とても驚いたんですよ。

教える人はそこで完成されているものだと…。

最初はそう思っていたんです。

ですから、トレーナー達も学び続けていると聞いて、とても真摯なんだなと思いました。
それに、トレーナーさん達のお話は表現が豊かで、非常に楽しかったんですね。
私もそんなふうに、常に学び続けたいなと思いました。

また、人数も10名くらいでしたので、回が重なるにつれ、メンバー同士の仲間意識がどんどん強まって、非常に学びやすかったです。
演習も同じ人と何度も組むことにより、お互いに深く知り合うことができました。

安心して学べる場になっていったのかなって思います。

蛯澤さんは上級コースまで終了されていますが、受講後にどんな変化がありましたか?

たとえば自分の職場のスタッフに、話がスムーズに通る場合とそうではない場合があります。
以前は、なかなか相手に伝わらないとき、自分がとてもイライラしたりしていました。

受講後、あるとき気がついたら、そういう場合の相手の態度があまり気にならなくなっていたのです。
また、最近、知人から言われたのは、以前の私は攻撃的で、“もっとこんなふうに行動したらいいのに”“こんな言い方しないほうがいいのに”といった、人を責めるような言葉が出ていたのに、「今は話をしていてもそういう言葉が出なくなったよね」って。

きっとそういうことが、コミュニケーションを学んできた私の中の変化なんだろうなと思います。

また、職場の研修会の講師を務めた時、参加者にグループワークの発表をしてもらったのです。
そして、「みなさんのグループの話し合いではこうだったんですね。
もっとこんなことに気づけたり、行動がができると、もっとよくなるかもしれませんね」と、発表に対して返すことができました。

今まで自分は人をほめるのが苦手だと思っていたのですが「こういうほめ方があるんだ、こういう言い方があるんだ、ということを気づかせてもらったよ」と同僚にフィードバックしてもらえたりしました。

自分ではコミュニケーション心理学を受講しての変化にあまり気づいていなかったのですが、周りの反応から、少しずつ変わって来ているのかな、と思えるようになりました。

お仕事もずいぶんやりやすくなるでしょうね。

そうですね。

自分自身、イライラしている状況がとても減って来ていると自分で感じます。
「すいぶん楽しそうですね」「どうしてそんなに笑っていられるの?」と、職場の人に言われることも増えました。

もちろん怒るときもありますが、「今自分は怒っているな」と感じられ、前ほど感情の振幅が大きくなくなりました。

トレーナー協会でのワークでわかった
すべては「自分」なのだということ

受講を通して、印象に残っていることはありますか?

あるワークで、自分が職場に残って仕事をしていると、「なんで自分はこんな遅くまでひとりで頑張っているんだろう」と思うことがある、という話をしたんです。

するとトレーナーさんが、「蛯澤さん、ちょっと立ってみてください」と言いました。
そして、他の受講生のみなさんに、「蛯澤さんに、“これは私の大事なものなので、ちょっと持っていただけますか”と蛯澤さんに何か預けてください」と言うのです。
それで「壊さないで持っててください」と、みんながいろんなものをどんどん私に預けて来たんです。

最初は楽に持っていられたのですが、だんだん持ちきれなくなって来て、どうしようと思いました。
そのとき、携帯電話かカメラだったと思うんですが、ある受講生が「大事なものなので壊さないで持っててください」と持って来た時、「もう持てません」と言いました。

そのときトレーナーさんから言われたのは、「蛯澤さんがみんなから頼まれるものをどこまで引き受けて行くのか、どこで上手に断れるのか。蛯澤さんは断れない人なんですね」
そして、「毎日、上手に、ひとつ断ることを自分に課して、やってみてください」と言われました。

この体験から、「引き受けているのは私だったんだ」、改めて「私」なんだと気がついたのです。
自分自身がやると引き受けたのに、それをみんながやらないとか、みんなが私に押し付けているとか、自分がさも大変な思いをしているように、しんどくなるとそう思う自分がいるんだな、っていうことに気がつけました。

その後、引き受けたとしても、自分が決めて引き受けているんだと意識できるようになりました。
今でも夜の10時とか、遅くまで残って仕事をしているときもありますが、そういう状況が続いたとしても、「これは自分がやるべきこととして自分で決めてやっている、誰かのためにやらされているわけではない、自分がやっているんだ」と思えるようになりました。

自分を哀れんだり、誰かを責めることもなくなり、とてもラクになりましたね。

かまえずに死を語れる世の中へ。
在宅で看取れる仕組みをつくりたい。

今後の夢として、どんなお考えを持っていますか?

保健師というのは看護職なんですね。
私も年齢的にもそろそろ定年退職が近づいて来ていますので、今後はたとえば、訪問看護ステーションのようなところに勤めるなどして、在宅での看取りといったところに携わっていけたらいいなと思っています。

人は誰でも死んでいくものです。
ところが、自分の死期が近づいて、自分が亡くなっていくことを誰かと話したくても、なかなか出来ない、周りの人が死を話題にできない、こころにゆとりがない、ということがあるように思うんです。

私自身も、以前は聞いてあげられるようなこころの準備ができていませんでした。
けれども今はコミュニケーションを学びました。十分に準備が整ったとはいえませんが、この学びを少しでも役立てて傾聴や、その人の死に寄り添い、看取りに携わる仕事ができたらいいなと思っているんです。

まだまだ学ばなければならないことがたくさんあります。
具体的な看護技術も必要です。
自分自身がどのような死を迎えたいのかも、考えていきたい。
もっと必要な学びをしていきたい、と思っています。

コミュニケーションが生きた学びとして役立っていることを感じますね。

先日も、「もう充分生きたから、血圧が高くても病院に行きたくない、という80代90代の方々に、どう対応していいかわからない」という若い保健師さんたちと話をしてきました。

私は彼女たちに、「もう充分生きた」と思っているお年寄りの気持ちに寄り添い、「どんな死を迎えたいのか」と質問してもいいのではないか、と提案してみました。
それは少し難しいことかもしれませんが、死についてかまえないで話ができる、そのことは、健康づくりの保健指導と同じように大切と思っています。

保健師の仕事というのは、相手の生活に入っていく仕事です。
自分がコミュニケーションを学んだことで、ほんとうに仕事の幅が豊かになったと思っています。

若い保健師さんにとっては、受講料のことを考えると非常に決心がいりますし、尻込みするのもわかります。
でも、コミュニケーション心理学を学んでいくことは、保健師としての仕事を、いろんなふくらみをつくっていくことになるだろうと思います。

これから保健師をやっていこうという若い人たちに、コミュニケーション心理学をぜひ学んでほしいなって思いましたね。

プロフィール

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蛯澤 美保子

航空会社退職後、心理学、カウンセリング、コーチングを学び プロコーチとなる。
誰もが持っている無限の可能性を引き出し、カウンセリングメソッドを合わせたコーチングでワクワクしながら目標達成していくプロセスをサポート。
クライアントの「本当の思い」に耳を傾け目指すビジョンを明確にし、「なりたい」を強力にサポートするプロコーチ。

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社会保険労務士
経営者
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