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5つの質問を身につければ、他人のコーチは不要になるのか?

5つの質問を身につければ、他人のコーチは不要になるのか?

投稿日:2025年6月4日 / 最終更新日:2025年6月3日

  

対人支援の基本はコーチング。しかし、コーチングされたい市場は、ほぼ皆無です。有るのはコーチになりたい市場。

  

約25年前。

1990年代の終盤にコーチングという言葉に出会った。

あまり気に留めなかった。

  

その後、

コーチングブームがやってきた。

しかし、そのブームは、

健全な『コーチになりたい』ブームだ。

私もその一人。

  

当時から、

コーチングを希望する市場は乏しい。

(コーチングを希望するクライアントが少ないっていう意味)

今でも……。

  

だけれど、

自己開発にはセルフコーチングが役立つ。

そして、

質問は5つでいい。

4つの知性を働かせる質問。

そして、

もっとも重要な理性を働かせる1つの質問。

  

まぁ、この質問という言葉も死語に近い。

  

『質問』から『問いかける』時代へ

  

アメリカの社会心理学者のエドガー・シャイン氏は、

質問は相手に圧がかかりすぎる。

問いかけることが大切。

そのように著作の『問いかける技術』(英治出版)で記している。

  

個人的に、

最初からコーチングの質問には、

彼と同じように圧力を感じる嫌悪感があった。

米国人、日本人、同じように感じるものだと感心した。

 

圧のある質問をされると引く。

面倒になる。

「コーチはウザい!」のうわさが広がったったのは仕方がない。

  

これからプロコーチを目指す方へ!

コーチという職業だけでは、ほぼ生活はできません。

  

2004年から、コーチを育てている。

そんな仕事を、

20年以上やっている。

そして、コーチングとは、クライアントと向き合うことで、

自分の可能性の扉を開ける営みだと伝えている。

  

1998年頃、コーチングって何?

コーチって、どんな仕事なの?

まったくわからなくて、

あるコーチに「コーチングとは何ですか?」と尋ねたことがあった。

すると、

「クライアントの目標を明確にして、寄り添い、達成を支援することです」と教えてくれた。

よく覚えている。

大きな違和感。

  

  

心の中で、はっきり思った。

「もしそれがコーチングなら、市場は乏しいなぁ!」

だって、目標って何?

使命がハッキリしているなら、

目標設定に意味が見いだせる。

  

でも、使命を心の底にはっつけていないクライアントと一緒に、

目標を見つけるって……。

  

起業して、

元気でやっている仲間たちで、

コーチを付けている経営者は、

一人もいなかった。

  

そりゃそうだ。

使命が明確になれば、

セルフコーチングで勝手に伸びる。

使命の切り替え時期までは!

 

だから、セルフコーチングできるようになったら、

他人からのコーチングを必要とするニーズは減る。

もともと小さな市場が、

さらに萎む。

  

コーチングって何よ?

  

私のコーチング履歴。

2002年ごろ、

世界で五本の指に入ると言われているセラピスト。

堀之内高久先生から、コーチングを約2年間学んだ。

銀座二丁目だったかな。

  

懐かしい。

そして、

それが上手くできないんですよ。

  

だって、堀之内先生はテクニックレベルを丁寧に教えてくれる方ではない。

  

私はこれまでのやり方で、

クライアントに、

「どうなりたいのか?」

「目標は何か?」

「そのために何をするのか?」

それにばかり注意が向いちゃっていて……

  

  

そこで私は、堀之内先生に質問したよ。

「コーチングが上手くいきません?どうしたらいいでしょうか?」

すると、先生は、

「椎名さん。コーチングとは何ですか?」と逆に質問された。

だから、私は得意げに伝えた。

以前、有名なプロコーチから教わった言葉を、

そのまま伝えたんだ。

「クライアントの目標を明確にして、寄り添い、達成を支援することです」(エヘン!)

  

  

すると、堀之内先生。

右手の人差し指を左右に振って、

「チィ!チィ!チィ!チィ!チィ!」と舌打ちをした後。

「コーチングとは、

 『クライアントの目標を明確にして、寄り添い、達成を支援すること』ではありません。

 コーチングとは、『寄り添う』ことです」、だって……

  

世界で五本指に入るセラピストの、

その言葉が腑に落ちるまでには、

それから五年は過ぎただろうか?

  

セルフコーチングの4つの問いかけ!

  

もし、「私は、年収1,000万になりたい!」というクライアントがいたとする。

こんな、相対的な価値を目標にする者は、

もういないとは思うけれど……

たとえば、

たとえば、

やっちゃいけない質問。

5W1H(Why, What, Who, When, Where, How)。

  

Why:「なぜ、年収1,000万になりたいのですか?」

What:「年収1,000万を実現するために、何を手に入れる必要がありますか?」

Who:「誰と協力すれば、その目標は達成しやすくなりますか?」

When:「その目標をいつまでに達成したいですか?」

Where:「どこで、その成果を出したいですか?」

How:「どうやって、年収1,000万を実現しますか?」

生成AIだってできる質問をしても仕方がないでしょう!

  

タイミングを見計らい問いかけることは、

「それって、どんな可能性があるの?」・・・本当のゴールを探る問い

「それは、何を学んでいるのでしょう?」・・・プロセスを確認する問い

「在るべき姿は何ですか?」・・・使命に導く問い

「今、求められていることは何ですか?」・・・貢献を問う

  

こんな問いかけしても、クライアントが何を言うか分からないじゃん!

そうだよ。

だから、

コーチの技術が問われるんだよ。

これらは、視点を広げる知性に働きかける問い。

     

そして、

「私は、年収1,000万になりたい!」と語るクライアントへの本当に大切な問いは、

「『私は』と言ったけれど、『私』というものを教えてください。」のこの一点。

  

クライアントが、

「『私』を探索中です」と答えたら、ワクワクするセッションになるでしょう。

「『私』は営業マンです」と言ったら、「そうですね」としか言いようがない。

「『私』?私の名前ですか?」と言ったら、無口になるしかないじゃないか。

「『私』?考えたこともありません」と答えたら、

「それを明確にしてから進めませんか?」と本当のコーチングの扉が開くじゃないか!

  

己の道を正すなら「私の使命は何か?」の前に「私とは何か?」

事業を構築するなら「事業は何か?」の前に「事業とは何か?」

セルフコーチングを覚えたら、

他人にコーチは必要なくなると思うよ。

 

だから、自分で自分をコーチングする技術を磨くんだ!

やらなくていいことの時間を減らすんだ。

やらなくちゃならないことに集中するんだ。

  

  

著者プロフィール 椎名規夫(公認心理師、NLPトレーナー)

一般財団法人日本コミュニケーショントレーナー協会 代表理事
経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長

1961年生まれ。茨城県取手市出身。

「変われなければ心理学ではない!」をスローガンに、心理の国家資格『公認心理師』の知識を活かして、日本で唯一、科学的根拠のある心理学をベースにしたコミュニケーションスキル(コーチング、カウンセリング、メンタリング、セラピー、コミュニケーション能力、コミュニケーション心理学)を提供。

エビデンスベースド(科学的根拠のある)心理学とコミュニケーション能力こそが社会人、ストレス社会、人生100年時代に役立つスキルと確信してトレーニングを実施中。

  • 総務省 「コミュニケーションの基礎に関する研修」
  • 全国6万社が加盟する厚生労働省の労働基準局所管特別民間法人『中央労働災害防止協会』にてコミュニケーション技術力研修担当10年以上
  • 労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当
  • 独立行政法人教職員支援機構にて全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング講座担当など
椎名規夫トレーナー

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